ヌマンタの書斎

読書日記から始めたブログですが、今は雑記帳になっています。

2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

バトルシップ

つっこみどころ満載。莫大な製作費をかけた世紀の駄作との評は、それほど間違っているとは思わない。長年のSFファンである私も、おいおい、それはないだろうと突っ込み入れたくなったぐらいなのだ。でもねぇ、白状すると後半はけっこう夢中になって画面を…

いわゆる従軍慰安婦問題の背景

愚かな頑迷さにはウンザリする。 なにがって、いわゆる従軍慰安婦である。要は軍隊の基地周辺で営業していた売春婦のことである。別に珍しくもない。現代の日本でも自衛隊や米軍の基地周辺に行けば、兵隊さん相手の売春宿、あるいは風俗業はないところの方が…

牧羊犬シェップと困ったボス マージョリー・クオートン

犬と仲良くなるのは、わりと得意だ。まず、犬の目線に立つことが大事。間違っても上から見下ろしてはダメ。地面に座り込むぐらいが丁度いい。ただし、犬の顔、とりわけ視線を合わせる時は注意が必要。彼らは見知らぬ人間に対して警戒心が強い。目と目を合わ…

石原都知事辞任に思うこと

人間、引き際が大事。 それを誤ったとしか言いようがないのが石原慎太郎だと思う。作家としての技量は高い、それを認めるのにはやぶさかではない。 だが、政治家としては限界を露呈していた。頭がイイだけに実務能力はある。それもかなり高いレベルであると…

TIGER&BUNNY 桂正和

誰にだって全盛期はある。気力、体力ともに充実し、たまり過ぎて崩れてきそうな仕事の山に負けることなく、ただただ必死で毎日を過ごす。でも振り返る余裕なんてないが、たくさんの仕事をやっつけた実績だけは残る。やがて、年齢とともに体力気力が衰えてい…

プロレスってさ スタイナー・ブラザーズ

ブリッジ。 直訳すると橋であるが、体育の時間などで教わるブリッジは、身体能力を激しく使う動作でもある。 まず仰向けに寝て、両足を肩幅の広さに開き、膝を立てる。同時に両手を耳の横にもっていき、顎を突き上げるようにして体を持ち上げる。コツは両手…

尖閣問題のこの先

正直言って、私は民主党政権にはウンザリしている。でも、評価すべきところは素直に評価したい。もうお忘れの方もあろうかと思うが、菅内閣の時にも尖閣諸島は問題になった。時の仙谷官房長官は、真面目くさった顔(この顔しか知らないがね)で、「事態を遺…

マネーが止まった 田中直毅

文明の進歩により、先進国の平均年齢は大幅に伸びた。だが寿命が延びたからといって、働ける年齢までが伸びた訳ではない。とりわけ会社勤め、役所勤めの労働者の老後は不安だ。なにしろ収入がないのだから、不安なのも当然だと思う。平均寿命が50歳代の頃…

ロラックスおじさんと不思議な種

自然は美しいと云うが、それほど単純ではないと思う。私が困ってしまうのは、浜離宮や桂離宮に代表されるようなよく整備された庭園をみて、自然美を称賛するのことだ。たしかに綺麗だと思うが、あれは自然を活用した造形美だと思う。あれだけ綺麗に整備され…

国税不服審判所 その三

前回に国税不服審判所において、納税者の主張が認められたケースは、概ね12%程度だと書いた。この数字をみて、その低さに驚かれた方は少なくないと思うが、実はこれには訳がある。税金に関して高いと文句を言う人は少なくないが、実際に苦情を言ってくる…

国税不服審判所 その二

税金の問題で争うのは、けっこう面倒くさいと思う。税務署長(もしくは国税局長)の権限は絶大だ。納税者が不満をもっていたとしても、その権限で強制的に課税(処分)できる。この措置に対して納税者がまずやるべきことは、税務署長に対する異議申し立てだ…

国税不服審判所 その一

税金が高い。 税理士の口にする愚痴として、どうかと思わないでもないが、やっぱり高いと思う。クライアントの負担すべき税金を計算して「高いですねぇ」などと口にしているだけならいい。 問題は、自分自身が負担する税金の高さだ。けっこう馬鹿にならない…

ターザンと失われた帝国 エドガー・ライス・バローズ

現在は不遇なヒーロー、それがターザンだ。1920年代にアメリカで青少年たちから絶大な人気を博したパルプ・マガジンのヒーローたちの代表格が、スーパーマンとターザンであった。いずれもアニメーションとしてTVで放送されたり、あるいは映画化された…

次なる覇者は

この地球という名の惑星に生きる生物で、永遠の繁栄を誇ったものはいない。 一億年以上にわたって地上を闊歩した恐竜でさえ絶滅を避け得なかった。もちろん古代から数億年の歳月を生き延びた生物もいる。海底にひっそりと暮らすシーラカンスが有名だが、彼ら…

モンスター・ホテル

残念ながら理性は万能ではない、と言わざるを得ない。デカルトが理性により世界のすべてが理解できるはずだと宣して以降、科学が人類の新しい宗教として君臨し続けてきた。これを科学万能主義という。だが、20世紀に入り欧米各国が事実上世界の大半を支配…

安倍晋三の再登板

数年前のことだが、政治評論家の三宅久之氏が朝日新聞の主幹である若宮氏に対して、なぜ安倍総理(当時)を執拗に攻撃するのかと問うたところ、若宮氏は「社是ですから」と答えたそうだ。 いったい、どんな社是なんだ? 民主主義を掲げる国家にとって、有権…

点と線 松本清張

海外から日本を訪れた方が、いずれも驚嘆するのが電車が時間通りに運行されていることだ。我々日本人からすると当たり前のことに思うが、海外暮らしを経験した人は、日本人がきわめて時間に厳格であることを痛感するそうだ。もっとも、日本人が時間にうるさ…

はた迷惑

日頃お世話になっている人からの頼み事は断りずらい。大学生の頃は、週に一、二回渋谷のホテルで駐車場の係員のアルバイトをやっていた。夕方5時にシフトに入り、夜11時までの勤務である。その日も無事終えて、交替の警備員の方に引き継ぎ、荷物を置いた…

オスプレイの飛行

つくづく思う。 馬鹿は反省しない。過去から学ぶこともしない。いつも自己陶酔するばかり。馬鹿はやっぱり馬鹿なまま。 先月末より山口県岩国基地に置かれていたアメリカ軍の最新鋭ヘリコプターであるオスプレイの飛行がはじまった。マスコミが一生懸命、反…

白雪姫と鏡の女王

今年、二回目の白雪姫の映画。グリム童話が流行りなのかどうなのかは知らないが、「スノーホワイト」も今回の「白雪姫と鏡の女王」も原作は同じでも、内容はかなり違う。どちらも面白いのだが、迫力とかおどおどしさなら「スノーホワイト」なのだが、映像の…

Jリーグの危機

危機が起きて、人ははじめて騒ぎ立てる。だが、多くの場合、危機には予兆があり、その原因さえ事前に分かっていることは珍しくない。にもかかわらず対策は立てられずに、危機が顕在化して初めて人は騒ぎ立てる。なんのことかといえば、プロサッカーである。…

私を離さないで カズオ・イシグロ

静かなる心が描く、穏やかな幼き日々の美しさ。やがて大人になり、徐々に気が付いていくおぞましい現実。文章は平易にして、温和な心象で、高ぶることなく子供時代の真実を淡々と描き出す。この作品の恐ろしさは、ありうる未来を描いているからではないと思…